命を賭して恋い慕いながらついに想い人の心を得られず終わった林朝英。残りの生涯を王重陽の技を破ることに費やした彼女だが、かつての恋情を忘れたわけではなかった。心の奥底に秘めた想いを生涯をかけて練り上げた術技に込め、最後の奥義へと昇華したわけである。
どうですか。これがデレですよ。武術家ならではのデレ。
その秘めた想いも、いちいち女学生の日記のごとく書き残したりはしていない。ただ、奥義あるのみ。
男子禁制を掟としてきた古墓派において、この玉女素心剣法は林朝英の秘めたる心とともに眠り続ける定めだったのかもしれない。だが、楊過が掟に背いて古墓派に入門した時――そして、楊過と少龍女が武林の掟に背いて恋仲となった時、究極奥義は封印を解かれたのだ。林朝英の想いと共に。
楊過と小龍女の想いが奥義と重なり、絶技となって発現するくだりは「神G剣侠」序盤におけるひとつのクライマックスだと管理人は考えている。
というわけなので、萌え業界も新たなるツンデレヒロインを模索していただきたい。具体的には「男をブン殴ればツンデレになる」という安直な発想から離れることから始めてはいかがか。暴力を振るっていいのは悪党と怪物だけってどこかの偉い人も言ってたしね! …ん? ちょっと違ったかな?(トキの偽物のように首を傾げつつ)
追記:
上でも書いたが、林朝英のエピソードと玉女素心剣法の開眼は『神G剣侠』全体のうちまだまだ初めの方である。これからさらに物語は波乱を見せ、息もつかせぬ活劇へと加速していく。
剣光が交錯する超人武術アクションもさることながら、女性キャラがやたら魅力的なのも特色のひとつだろう。端的に言えば萌えキャラが多く、そのうちツンデレが占める割合がかなり高めである。
メインヒロインである少龍女はツンデレではないが(強いて言えばクールから天然への進化キャラ)、脇役で結構なツンデレヒロインが色々出てくる。
そのうちの一人「陸無双」などは、神G〜がギャルゲになったら間違いなく攻略可能ヒロインになるであろうスペックの持ち主だ。なにせ、主人公・楊過の呼び方が「馬鹿」である。
これは初対面の際に楊過が愚鈍を装い、陸無双をおちょくったことに起因している(ちなみに楊過は無双を『かみさん』などと呼んでからかっていた)。行動を共にする中で無双も次第に楊過に惹かれていくのだが、意地っ張りゆえに「馬鹿」という呼び方を貫いている。
また陸無双には陸程英というこれまた美人(&おしとやか)な従姉がおり、この二人が楊過に「どっちにするの」と迫るシーンがあったりする。
といってもこれは嫉妬心ではなく、強敵が迫る中「私が残って食い止めるから、あなた(楊過)は彼女と逃げて」という健気なものなのだが。その部分を抜粋しよう。
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