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どうです、時代錯誤的な男くささ全開のこのカバーアート。加えてパッケージ裏面のコピーには「笑いと暴力のパロディシューティング」「マスター○ーフも出るよ!」と来たもんだ。こんなの見せられて管理人のピュアハートが反応しないわけがない。
そんなわけで管理人は「たとえ金もらってもクソゲーはやらない」という主義を一時棚上げし、購入に踏み切ったわけだ。
レビューの前に、本作の舞台設定について解説しておこう。
「EAT LEAD」に登場するゲームのキャラクターたちは「アーカイブ」と呼ばれるある種の電脳世界の住人であり、ゲーム会社と何らかの契約を結んでゲームに登場している。いわゆる役者のような存在だ。
主人公のマット・ハザードは80年代には超売れっ子として一世を風靡したが、伝説的クソゲー「マットカート」への出演を境に人気が急落、今やSIMPLEシリーズのエキストラなどで細々と食いつなぐまでに落ちぶれた(日本版限定のネタだけど)。
そんな彼に、ある日「マラソン・メガソフト社」というメーカーから新作ゲームの主演の話が来る。久々の主演に張り切る彼だが、その裏にはマラソン・メガソフト社社長の陰謀が隠されており、マットは謎の美女Q.Aやかつて共演したゲームキャラクター達の助けを借りつつその野望を打ち砕くべく戦う。
そういう、架空の「楽屋裏」を舞台にしたゲームだ。
パロディゲームと銘打っただけあって、ニヤリとさせられるネタが随所に仕込まれている。マリオのそっくりさんやJRPGのお約束を体現したキャラなどは(一部で)話題になったし、それ以外にもゲーム業界ネタがちょこちょこと入ってたりする。
例えば序盤で登場するカンフー使い「ソーリー・ホワッチャ」。アフロヘアの黒人で、アメリカ人的なイントネーションで「○○アルヨ!」というエセ中国人的なしゃべりをする。非常にウザい感じなのだが、それに対するマットの突っ込み。
「そのしゃべり方はよせ。最近は本当にクレームが来るんだぞ」
近年のゲーム業界、とくに欧米ではこの手のクレーム話が多いことを知っていればニヤリとできる小ネタだ。
あと、ロード画面だな。最近のゲームはロード画面で操作法法の説明やゲームのちょっとしたヒント等が表示されるのが普通だ。EAT LEADにも同じようにものが出るのだが、まっとうなヒントは全体の2割かそれ以下で、あとはどうでもいいような小ネタが展開される。
「ロード画面を見るのって楽しいよな!」
「道に迷った時、敵に質問できたら便利だよね。
まぁ、そんな機能はついてないけど」
「ロード中のメッセージはひまつぶしなんかじゃない。
人生における大切なヒントなんだ」
あと、マットの決め台詞「ハザード・タイム」の由来とか、Twitterでやってろ! と言いたくなるようなものが大半だが、こういうノリは嫌いじゃない。てか、もっと数あってもよかったように思う。毎ロードごとに違うメッセージが出て、一度のプレイでは網羅できないくらいでちょうどいいと思うのだが。
ローディングの退屈さを軽減するのにいい方法だと思うので、これは他のメーカーも見習ってくれればと思う。
それにしても、ローカライズの丁寧さにはうならされる。パロディゲームとはいえ、元が海外のゲームだけに日本人には理解できないネタが多いのでは? という懸念があったのだが、そこらへんをうまくアレンジしているのだ。
例えば劇中で登場する水鉄砲を撃ってくる敵は、オリジナル版では「SOAK'EM」という水鉄砲シューターからの出演となっている(Soak=ずぶ濡れ)。これは明らかに「SOCOM」のパロディだが、日本では洋ゲー好きでもない限り分からないタイトルだ。そこで日本語版では「ウォーター・ギア・リキッド」に差し替えられている。つまり邦題というわけだ。
他にも、ドットで描かれたドイツ兵が登場するゲームがある。これはFPSの始祖とも言われる「ウルフェンシュタイン3D」のパロディだと思うが、やはり日本のコンシューマでは通じにくいネタでなので、戦場の狼をもじって「戦場の餓狼シリーズ」と変えられている。これなどは苦肉の策と言うべきかもしれないが、翻訳家の努力が感じられる。
ネーミングでいえばJRPGのパロディであるボスキャラ「クモーリ・アメモヨウ」などその最たるものだろう。台詞回しもやたら大仰で、「JRPGへの皮肉を体現したキャラ」として笑いのこみ上げてくる代物になっている。戦闘前の台詞から一部抜粋してみよう。
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