13.02/04 その183 DmC:Devil May Cry――天使と悪魔のハーフがお婿にき(略






 ここしばらく戦争ゲーと暗黒街ゲーばかりにかまけていた管理人だが、こういう偏ったゲームライフを送っていると、世界には兵隊と悪党しか存在していないような錯覚に陥る。この症状が進行すると曲がり角の向こうに敵がいるように感じたり、視界に照準が表示されたり等の影響が出て大変危ないので(社会適応的な意味で)、治療の意味も込めて毛色の違うゲームを買うことにした。
 それが上に挙げたデビルメイクライシリーズ最新作『DmC:Devil May Cry』である。プレイして分かったよ――この世界にいるのは悪党だけじゃない。こんなにも悪魔が溢れている!(←おかしくてたまらないという顔でショットガンを構えつつ)

 冗談はさておき、こういう幻想的で悪夢的で超自然的なバイオレンスってのは戦場と暗黒街と同じくらい管理人には必須の栄養素なのだ。バトル展開で最も燃えるのは人vs人とはいえ、巨大な怪物に怖れず立ち向かい、打ち倒すシチュエーションはやっぱり胸が躍るし血が騒ぐ。

 ちなみにデビルイメイクライは1作目をやったきりなので、主人公ダンテと再会するのは実に十数年ぶりになる。今作のビジュアルがネットで叩かれていたのは知っていたが、確かにえらい変わりようだ。管理人が記憶しているダンテは中世風の兜と胸に縫い込んだ十字架がトレードマークのオッサンだったのだが。
 え? そりゃ『ダンテズ・インフェルノ:神曲/地獄篇』のダンテだろって? いっけねぇ同名だから間違えちゃったよアハハ!



ダンテさんEAジャパン公式サイト



 薄ら寒い上にマニア気取りがウザい小芝居はやめよう。
 DmC:Devil May Cry(以下DmC)のダンテが従来ファンから激しい批判を浴びた経緯は管理人も把握している。銀髪美形からそこらにいそうな不良っぽい兄ちゃんという極端なイメージチェンジに加え、制作サイドの不用意な発言もあいまって大反発を受けた。結果、当初はダンテの若いころとアナウンスされた設定も取り消され、従来のシリーズとは別物の作品として再出発することとなったそうだ。

 管理人はこの黒髪ダンテが嫌いじゃないが、これまでのダンテを好きな人からすれば、カレーを注文したら鰈が出てきたくらいの違和感があったに違いない。
 第三者の視点から見ても感じるが、黒髪のダンテは雰囲気がわりとダーティだ。当初のコンセプトビジュアルでは顔に細かい傷があったり、煙草を吸っていたり、そもそものデザインがマグショット(身長の目盛版の前で撮る容疑者写真)風であったりと、銀髪ダンテにはないアウトロー臭が強調されていた。
 今更言ってもしょうがないが、もっとうまく軟着陸させる方法があったのではないか。同じ世界観を用いつつも黒髪ダンテは銀髪ダンテとは別人、悪魔狩人としてダンテの名を襲名した――という設定なら新奇なデザインでも許されただろうし、銀髪ダンテとの共演も可能だっただろう。分かりやすく言えば新プラモ狂四郎方式である(超わかりにくいです)。

 キャラの話はさておいてゲームの中身について語ると、これは非常に面白い。主人公が強めに設定されているので、爽快にコンボを決めまくることができる。攻撃バリエーションの豊富さは同系統のゲームと比べてもかなり上ではないだろうか。
 それに加えて相手が悪魔ですからね。剣で斬って鎌で刻んで斧で潰してショットガンで吹っ飛ばしても良心は痛まない。「悪魔を殺して平気なの?」だと? 平気に決まってんじゃあねーかこのオーブの詰まった皮袋どもがァ―――!!! という勢いでコンボの快感に身を委ねることができる。今年はまだ始まったばかりだが、個人的に2013年ベストアクションの一角に入りそうだ。
 これから各項目ごとに長々と書いていくが、全部読むのめんどくせぇという人は各項目へのリンクを貼ったので、適当に拾い読みしてほしい。


(1)戦闘編――ネフィリムの長い腕
(2)キャラクター編――ちょっとモヒカンぽいよね
(3)ストーリー・雰囲気編――私をリンボに連れてって
(4)まとめ――DLCまだかよ
(5)不満点――俺は戦闘がしたいんだよ!
エロいボス戦闘




(1)戦闘編――ネフィリムの長い腕
 先にも述べたように管理人はDMCシリーズに関して10年以上のブランクがあるので、ほとんど初体験に等しい。ニンジャガなど同系統の作品は経験済みなので、「あれ、照準はどこ? エイムはどのボタン?」などということはなかったものの、ネットで情報を集めていて「エネステって何? エネルギーステータス?」と首をかしげる部分も些かならずあった。なので、そういう初心者の目から見たレビューだと思ってほしい。

 本作の武器は長剣「リベリオン」を基本に、RTを引いた状態で使えるデーモン武器に大斧「アービター」と籠手「エリクス」、LTで使うエンジェル武器に大鎌「オリシス」、投擲武器「アキュラ」がある。これら5種の近接武器と3種の銃をリアルタイムに切り替えてコンボを組み立てていくわけで、バリエーションはえらく豊富だ。各武器を縦横無尽に使いこなしてコンボを決めるには慣れがいるが、下手は下手なりに工夫しつつ、それなりに見栄えのするコンボになるのはありがたい。

 コンボ以外でこりゃいいやと思ったのが、ムチ(的な何か)で敵を掴んで引き寄せる「デーモンプル」と、同じく敵にひっかけて自分がそっちへすっ飛んでいく「エンジェルリフト」。私生活で使うならコタツの中から台所の土鍋を引き寄せるくらいしか思いつかないが(中身をまき散らしながらすっ飛んでくる土鍋)、悪魔がいるんなら当然そっちを掴む。
 群れの中から一匹だけ引き寄せてボコってもいいし、単純に距離を詰めるのにも使えるし、空中の敵にひっかけて引きずり降ろすなり空中コンボに持ち込むなりしてもいい。何より、空をフワフワ飛ぶ敵に対して「この! このっ!」とジャンプ斬りを繰り返す必要がないのはありがたい。

 一部に効かない敵もいるがいったん決めれば好きにボコれるので、見方を変えればコンボの射程距離が非常に長いといえる。おかげで銃の存在感が非常に薄いという弊害が出ているが、それを差し引いても戦闘は実に楽しい。少なくとも難易度ネフィリム(ハード相当)までは、敵が出現するたびに「さあどうやって可愛がってやろうか?」というテンションになってワクワクする。
 ただ、これまでのシリーズをやり込んだファンからは「簡単すぎる」という批判が多い。ヘッ、上級者様は言うことが違いますなァ! こちとらコンボ中の武器切り替えで指がつりそうになるってぇのに余裕のヨドバシでいらっしゃるぜェ! とチンピラ風に絡みたくなったが、よく考えたら管理人もネフィリムまでアイテム使用ゼロの縛りプレイでクリアできたし、簡単なのは確かだろう。ある程度アクションを遊んでいる人ならアイテム使用は封印したほうが緊張感あって面白いかもしれない。
 ザコ戦はとても楽しいのだが、ボスが少ないのに加えて弱すぎるのはいかがなものかと思う。このへんも従来ファンからの評価が辛い理由だろう。


(2)キャラクター編――ちょっとモヒカンぽいよね
 上の方で「黒髪ダンテも嫌いじゃない」と書いたが、ごめんあれは嘘。
 超好きですこのダンテ。
 管理人はもともとアウトロー的なモチーフが好きだし、「不良少年」が初期コンセプトだったという黒髪ダンテが琴線に触れるのは当然ではあった。最終版では煙草など尖った要素は軒並みカットされてしまったが、黒髪短髪、グレーのコートという落ち着いたビジュアルはかなり好みだ。
 またカットシーンにおける他キャラとのやり取りや、ボス悪魔との掛け合いはどことなく愛嬌がある。アクション中の動作やカットシーンでの仕草などはちょっと気取った感じなのだが、そのクサさが愛嬌と相殺され、いい感じにカッコいいバランスになっている。

 思えば今作の敵は「社会を裏から支配する悪魔」である。それに反逆する主人公像という意味では、実際に路地裏にいそうなアウトローっぽい青年というコンセプトはうまくはまっているともいえるだろう。そういう「普通にカッコいい」主人公が、悪魔との戦いではとんでもない強さを発揮するというギャップも魅力の底上げに一役買っていると思う。
 一度クリアしてからDLCのキャラスキンパックをあれこれ試してみたが、やっぱり、黒髪でちょっとくたびれたグレーのコートのオリジナルダンテが一番管理人のセンスにしっくりくる。
 GOWのマーカスのような30過ぎの「大人の男」枠ではなく、20そこらの青年枠としては久しぶりに個人的ヒットの主人公だ(女性枠はまた別)。


(3)ストーリー・雰囲気編――私をリンボに連れてって
 ストーリーは……まぁあんなもんじゃないスかね。容易に先が読めるシナリオなので意外性はないが、アクションゲームとしてプレイヤーのやる気を削ぐような代物でもない。ただラストの展開はいかにも急ぎすぎた感があるし、合格点をあげられるかどうかは微妙なところだ。

 特色としては「天使と悪魔のハーフが悪魔の王を倒すため戦う」という荒唐無稽な設定にも関わらず、意外に現実味のある要素をスパイスとして加えていること。黒幕であるムンドゥスも大物財界人として人間社会に溶け込んでいるし、幹部級のボス悪魔もそれぞれ表の顔を持っている。
 それと関連しているかもしれないが、微妙に洋ゲークライムアクション的な雰囲気が漂っている……ような気がする。特に「ヒロインを人質に取られたので相手の愛人を拉致って交換に持ち込む」というくだりはヒロイックファンタジーより暗黒街モノのノリに近い。
 管理人はそういうのが大好きなので件のシーンもニヤニヤしながら見ていたが(やっぱり双方分かれての銃撃戦は良いと再確認)、ひょっとすると好みの分かれるところかもしれない。


 ついで全体的な雰囲気だが、これはとても良い。本作において悪魔と戦闘するフィールドは「リンボ」と呼ばれる異世界に限定されるが、この雰囲気が素晴らしい。現実世界と重なり合って存在するこの異世界は、街中や工場内など現実世界のエッセンスを残しつつ、不気味な変容を遂げている。いずれも悪夢的でありながらどこか美しく、多彩な変化は見た目にも飽きさせない。
 思うに、洋ゲーはこういう大掛かりな演出に秀でているように思う。God of Warでもスケールのでかさで度肝を抜くようなシーンが満載だったし、地獄が舞台のダンテズ・インフェルノは美術的なデザインを駆使しておぞましくも壮麗な「地獄」を創り上げていた。管理人は未プレイだが、Alice Madness Returnsも雰囲気良かったと聞いている。
 リンボのビジュアルは色遣いも鮮明で強い印象を残すが、一方で現実世界は大半が沈んだ色調で表現されているのが好対照だ。両方の世界のコントラストととしてうまく機能しているし、率直に言って管理人好みでもある。現実世界でムンドゥスの手下と銃撃戦プレイができなかったのが心残りだ。
 作品独自の雰囲気を構築するのはとても重要なことだが、DmCは水準以上の出来だと思う。

 もうひとつ、これはカットシーンの話題になるが、アートワークの使い方にも感心した。ダンテの少年時代の回想は宗教絵画を思わせるイラストレーションで再現しているが、一転してまったく別の切り口を見せるのが「Mission3:ネフィリムの血統」冒頭のシーン。
 これは朽ちた公園でバージルがダンテに自分たち兄弟のバックストーリーを語る場面なのだが、壁に描かれたグラフィティがその再現になっている。









 悪魔と天使の禁断の恋、そして破滅というベタすぎる設定を、王道を外して見せるセンスには一本取られた気分になった。
 本作のビジュアルセンスは管理人の好みとかなり一致している。退廃と邪悪と暴力、それらと不可分の背徳的なカッコ良さ、そしてほのかに香る美しさなどは個人的にツボだった。


(4)まとめ――DLCまだかよ
 管理人がゲームを買う基準としては、「キャラクター・世界観に魅かれる」かつ「水準以上の出来である」の2点を満たしていることがあげられる。
 どんなに見た目が良くても水準以下のゲームに時間を割く気にはならないし、ゲームが面白くても全く感性に合わないキャラと十数時間も付き合う気にはなれない。もっともキャラクターの出来不出来はゲームの面白さで補正可能なので、減点要素としてはそこまで大きくはないが。
 その意味でDmCは久しぶりに両方で高い満足度を得られた一本だった。これから出るゲームで、キャラクター的に惹かれるものとしては『Army of Two:The Devil's Cartel』が挙げられるが(奇しくも同じ『デビル』がタイトルに入る)、ゲームの出来がどうなるのかは不透明だ。Dead Spaceのスタジオが制作を担当するというし、DmCのような奇跡を期待したいところだ。

 ……その前にDLCで配信予定の「バージル・ダウンフォール」と「ブラッディパレス」を出してくれんとな。すでに高難度までしゃぶり尽くした上級者はブチ切れかかってるし、早いとこ頼むよ。


(5)不満点――俺は戦闘がしたいんだよ!
 ここまでベタ褒めしてきたが、いつもの通り「気に入ったら他もよく見える」心理が働いているので、冷静に見れば不満点も色々ある。先にも挙げたボスの少なさと弱さ。そして一部のミッションに単調な移動のみのシーンがあること。カットシーンのように飛ばしたりできない分、周回プレイをしていると非常にダルく感じる。ストーリー終盤の急展開を見るに、こんなミッションよりもっとコストをかけるべき部分があったろうがこの■%@×#!!と罵りたくなるが、まぁ……Max Payne3のクソったれカットシーン地獄に比べればなんぼかマシである。実際あれで相当鍛えられた。強くなるってことは何かを失うことだと悟ったね。

 また、デーモン武器とエンジェル武器のいずれかでないとダメージを与えられない敵の存在もちょっと気になる。通常の敵に一匹混じる程度ならいいのだが、両方の属性悪魔が同時に出るとちょっと面倒くさい。難易度が上がるにつれてストレス要因になるんじゃないかと今から心配である。

 あと、あれだ……ボスの「サキュバス」と「リリス」。
 いえね、ああいうグロい怪物ってのは決して嫌いじゃないんですよ。
 ただ、なんでその名前にした。

 同社のモリガンを例に出すまでもなく、一般にサキュバスといえば妖艶なおネーさまがほとんどだ。リリスも似た感じの美女ないし美少女である。DmCの体験版が出た当時「サキュバスとのボス戦を収録」と聞いて淡い期待を持った人もいただろうが、それはすぐに撃ち砕かれ、製品版ではリリスへの幻想もまた撃ち砕かれた。

 いいさ別に……俺はエロいおねーさん悪魔よりグロくておっかねぇクソ悪魔の方が性にあってるしな……。アクションゲーマーに必要なのはエロより暴力だよ……と散らばった心の欠片を拾い集めていたが、ヘンに期待を持たされた分、余計なダメージを食らった感は否めない。
 せめてこう…ニンジャガ2のエリザベートとまでは言わないまでも、ダンテズインフェルノのクレオパトラくらいのは期待しても罰は当たらないんじゃないのかな…。そんなことを願うこと自体が罪なのかな……。





参考:『ダンテズ・インフェルノ:神曲/地獄篇』クレオパトラ戦




 どうです。エロいでしょう。驚くべきことに日本語版でもこのまんま登場した。ローカライズにあたって真っ先に規制対象になると思われただけに、対面時には目が点になったものだ。つうか「乳首の先端が開いてそこから赤子がモゾモゾ出てくる」なんてのがよく無規制で出せたものだと感心する。逆にあの描写をもって「見ての通り乳首じゃないです」と言い抜けたのかもしれないが。

 まぁ乳首(のようなもの)を出してるとは言え基本的にグロいんであまり嬉しくないのだが、それでも巨大な、形だけはいいおっぱいがぷるんぷるん揺れる様には時おり目がいってしまい、普段なら喰らわないような攻撃を喰らったりした。なんつーか、男の愚かさと悲しさを実感したね。それにつけこむような戦法は卑怯だと思ったね。でも決して嫌いじゃないと思ったね。

 …ま、デビルメイクライにハンパなお色気なぞ要らぬ!というのがシリーズファンの心意気なのだろう。管理人もそれを見習い、反逆の剣リベリオンのみを伴侶とし、ひたぶるに戦いのみを求めるDmCライフを貫こうと思う。



 と思ってたらDMC3にはネヴァンって美女悪魔がいたらしいじゃねーか!
 クソッ、フザけやがって! なんでDmCはその枠が空席なんだよ! オバさんばっか二人も用意して綺麗どころがキャットだけってどういうことだ! ナメてんのかクソボケが!! DLCでなんとかしろってんだ!

 ま、女性悪魔はザコ敵の「ウィッチ」が可愛いので許すよ。グロめの敵が多い中で貴重な癒し要員だしね。バージル編ではまた別の綺麗どころが出てくることを期待しよう。
 なんだよ! DmCファンは綺麗なおネーちゃん期待しちゃいけないってのかよ! ヘッ、さすが上級者様はお上品でいやがるぜ!(上級者は関係ないよね)



※過去の天使と悪魔更新
雑文その176・天使にする?悪魔にする? それともエ・ル・フ?



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