|
見ての通り、椿小路家の女たちをタイマン勝負で叩きのめすアクションゲームだ。
…さすがに良家の貴婦人、握りコブシでぽかぽかやるような野蛮なマネはせず、女性らしく平手打ちの応酬である。
とはいえ互いに足を止め、小細工抜きにブン殴り合う画は結構衝撃的だ。
この奥様がたの背中にあるファスナーを下げると、中からインファイター型のボクサーがまろび出てくるんではないかと思わずにはいられない。
ゲーム的には殴り→回避を繰り返すシンプルなものだが、制限内なら何度でも攻撃可能な反面、操作をミスると反撃を喰らうようになっており、
なかなかに熱い。
先に進むほど「強そうな」ご婦人が登場するのもアクションゲームとしてまことに正しく、好感が持てる。
中には「オマエそれ平手っつうか掌底だろ!」とか、「いや…その、お前…なんか違くね?」と言いたくなるようなヤツもいるが。
ゲームそのものはリンク先で実際にやっていただくとして――
よくもこんなブッ飛んだシチュエーションを考えたものだと管理人は戦慄した。
このアイデアだけでもう負けた気分がする。幕間の会話も旧仮名使いで大正時代っぽくまとめられており、
このゲーム独特のジョーク的雰囲気が出ていて実に良い。一本どころか3本ストレートに取られてKО負けの気分だ。
それに加え、このゲームの主役である椿小路玲子――玲子さんと呼ばせていただこう――が素晴らしい。
「平民でありながら華族の家に嫁ぐが、夫に先立たれ一族の中で孤立する」
という役どころに相応しい薄幸のオーラをまとっているが、その実とてもたくましい。
義姉たちに「下民の生まれ」と蔑まれつつも「下民の女は打たれ強いのです」と言い放つその視線の奥には、
耐えてばかりではない女の強さが宿る。
|