08.06/22 その45 無機物に萌えるFPS「PORTAL」





ぽ ぽ ぽーたる来い♪

こっちのケーキはあーまいぞ〜。



 というわけで、「OrangeBox」収録の次元移動パズルFPS「PORTAL」をクリア。
 世間の評判どおり、小粒ながら脳にビビッとくる良ゲーだった。
 知らん、という人のために解説すると、 「ポータル」と呼ばれるワープゾーンを駆使してステージをクリアしていくゲームだ。 このポータルをドラえもんで例えるなら、「どこでもドア」の行き先を目に見える範囲内で指定できるもの、 となるだろう。

 例えずっと向こうにある壁にポータル(A)を撃ち込み、次いで自分の足元にポータル(B)を撃つ。 そして床の(B)に飛び込むと、はるか向こうの(A)から出てくるという寸法。 これを利用して各ステージ(チェンバー)の謎を解いていくわけだ。
 …まぁ上のリンクからトレーラーを見てもらったほうが断然早い。一人称視点ならではのパズルアクションだということが一発で分かってもらえると思う。


 で。
 この「PORTAL」、ゲームの性質上、登場人物は極端に少ないのだが、 そのわりには妙に人気のあるキャラが多い。HALOやCODのような大作シリーズならともかく、 3〜4時間ほどでクリアできるボリュームの作品にしては珍しい。
 その筆頭となるのがこのキャラ↓







 ごめん間違えた。こりゃコスプレ画像の方だ。
 正しくはこっち。





「加重コンパニオンキューブ」




 外見はただの箱だが、こう見えてPC版のリリース当初から大人気のキャラで、ファンアートも数多い。 いや本気で。↓

みんな大好き『Portal』のコンパニオンキューブ ファンアート集 (Game*Spark)

 このコンパニオンキューブがどんなキャラか説明するならば、 スターウォーズのR2-D2からキャタピラやマニピュレーターなど各種装備を取り払い、 電子頭脳を含む内部メカニズムも全てカットしてキューブ状にしたキャラクター、 といえば分かりやすいだろうか。  「それただの箱じゃん」と思われるかもしれないがまさしくその通りです。ていうかR2-D2関係ねぇ。

 ある意味、無機物萌えの到達点とも言えるコンパニオンキューブ。 これに比べればロボ娘萌えなど補助輪付き自転車並みの初心者コースである。 萌えオタを標榜するんならこれくらい萌えこなせないとダメかもしれんが、管理人にはちょっとレベル高すぎる。
 そもそもコンパニオンキューブはゲーム中の扱いを見る限り、萌えというよりむしろ燃えキャラだと思う。

 しかしPORTALの萌えキャラはまだいる。お邪魔キャラの「タレット(自動銃座)」などはちゃんとしゃべるし、 普通に可愛い。管理人も一押しだ。







「タレット」




 こちらもコンパニオンキューブと1、2を争う人気キャラである。
 移動こそしないものの、センサーでこちらの位置を感知しマシンガンをブッ放してくる厄介なオブジェクトだ。 しかし安定度がいまいちで、ちょっと衝撃を与えると簡単にひっくり返る。
 そうなると、亀が手足をバタつかせるように銃を乱射した後「致命的なエラー!」とメッセージを吐き、 機能停止してしまう。殺人兵器がコケただけで機能停止。どんだけ脆弱なんだって話である。
 しかし、そういうダメさが愛嬌をかもし出しているし、台詞も豊富でいじっていて面白いのだ。

 物をぶつけたりすると「いたい!」と悲鳴をあげるし、後ろから持ち上げてやると「下ろして!」とか言い出すのもキュートだ。
 また、別のタレットの射線上に置いて同士打ちをさせると「ちょっと!私です!」と慌てるのも実にキュート。

 開発者もこの辺は意図的にやったらしい。ゲームに収録されている音声解説によれば、 単なる設置式の銃ではなく個性のあるキャラクターにしたかったそうだ。 それで丸みを帯びたデザインと萌えボイスを採用したらしい。

「(前略)殺人マシンと、攻撃的ではない、無邪気な個性を組み合わせることで、 Portal のタレットはとても印象的にキャラクターになったよ」

――チェンバー16 音声解説より



 つまりギャップ萌えですよ。ワカってるじゃねぇかアメリカ人。
 外見も丸っこくてスマートであり、なんとなく部屋に置きたくなるようなデザインだ。 …いや、殺人兵器をインテリアに欲しいってわけじゃなくて、デザインだけ同じの別の製品として。えーと、トースターとか?


 タレットの他にも萌えキャラはまだいる。
 ゲームを通しての案内役である人工知能「GLADoS」も、味があって大変よい。 丁寧な口調と人を食った言い回し、言葉の裏に見え隠れする残酷さなど、とても印象深いキャラクターだ。 本作のエンディングテーマ「Still Alive」とも関連の深いキャラだけに、曲の評価と相まって人気キャラとなっている。

 こんな具合に良いキャラが多い「PORTAL」だが、さて主人公はどうだろうか。
 ゲームは徹底して主人公=プレイヤーを貫いているため、台詞もなければその姿をムービー等で見ることもないわけだが、ポータルをうまく使えば姿を見ることはできる。







主人公・チェル



 うーん、ちょっと玄人向けかもね!

 コンパニオンキューブからタレット、GLADoSといった無機物萌絵えの宝庫ともいえるPORTALだが、 人間キャラは日本では一般受けしなさそうだ。モデルとなったAlesia Glidewellは文句なしの美人なんだがなぁ…。 → Google検索結果

 というわけでこのPORTAL、とてもお勧めの一本だ。
 ポータルを使った空間移動がとても面白く、それを駆使した謎解きがとても楽しい。 なにより3次元空間をフルに使うパズルアクションとして、一人称視点が実にうまくマッチしている。 FPSの新たな可能性を切り開いた作品と言ってもいいと思う。
「FPSって銃でパンパン撃ち合うだけのゲームだろ…?」という食わず嫌いの人にはもちろん、 銃でパンパン撃ち合うのが好きで好きでたまらない戦闘中毒者にもお勧めしたい。


追記:
 洋ゲーに登場するロボットやら人工知能やらの類いはおしゃべりなヤツが多い気がする。 HALOのコルタナやモニターもユーモラスなしゃべりが特徴的なキャラクターだった。 スターウォーズのC3-POの系譜かもしれない。 あ、GOWのジャックはR2-D2系だな。小柄で無口、芸達者なところとかよく似てるわ。

追記:
 音声解説の数々は聞いていて実に面白い。 ゲームを製作する上でどのような点に気を使ったかという種明かしをしてくれるわけだが、 テストプレイを繰り返して緻密なデザイン作業を行ったことがわかる。
 プレイヤーを謎解きに専念させるために余計なものを省き、 クリアに必要なテクニックを自然に身に付けていけるよう考えられたステージ構成は特にみごとだ。 時には解法が見つからず頭を悩ませたり、 指先のテクニックが追いつかず何度もチャレンジすることになったりもするが、ストレスがほとんどないのはそのせいだろう。
ポータルというアイデアのみならず、ゲームとしてそれを100%活かしきるデザインこそが、この作品の最大の売りではないかと思う。
 スムーズにいけば3時間ほどでクリアという短い時間ながら、 ここまで「遊んだ」という満足感を得られるゲームは決して多くない。その意味でも貴重なゲームだ。




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