ごめん最後間違えた。なんか一番インパクト強かった女性キャラだったもんで。
まぁそれなりにキレイどころの女性もいるにいるが、そこは別にどうでもよろしい。本作の魅力は、先に述べたがバイオレンス&ハイスピード、特に徒手格闘によるアクションに尽きる。
そこも含め、各項目別にあれこれ語っていきたい。
■格闘編――華麗さと泥臭さの同居
冒頭のネタで余計なもの扱いしといてなんだが、本作の最大の特色であり一番の魅力は、この格闘バトル、カンフーアクションではないかと思う。
操作はXで攻撃(長押しで強攻撃)、Yでカウンター、Bで掴みと、比較的シンプルだ。繰り出せる技は特定のアイテムを入手することで習得でき、コンボの決め技や掴みからの派生技などが次第に増えていく。とはいえ格闘の大きな魅力はカウンターと、掴み→Bで繰り出すオブジェクト攻撃だろう。
カウンターはBatman:Arkhamシリーズと同じく敵の攻撃を華麗に捌く、防御即反撃となるタイプ。思うにこのシステム、主人公の強さを堪能できるだけでなく、戦いの流れを途切れさせない点が爽快感を後押ししていると思う。
それになにより、見ていて非常にカッコいい。本作の格闘はボタン連打のコンボでガンガン押していくタイプだが、それでも時には手を止めてカウンターを誘いたくなる。
一方でオブジェクト攻撃は、カンフーのカの字もないチンピラ丸出しの喧嘩ファイトって感じの泥臭さにあふれていて実に良い。掴んで壁やテーブルに叩きつけるのが基本だが、ゴミ箱に叩き込んだり配電盤に突っ込ませたり、はたまた車のトランクに放り込んで車ごと海に投棄してみたりと、エゲツなくもエンジョイフルな戦いっぷりを演じることができる(最後のは喧嘩じゃなくて殺害の手口だよね)。
一応断っておくと、管理人は良識も常識も人並み以上に備えた紳士なので、このような暴力行為を働くのはたいへん心が痛む。しかし主人公・ウェイの身の上は犯罪組織に潜入する秘密捜査官。ギャング以上にギャングらしくあらねばならない。だからこれは仕方なく、やって、るん、です、よっと(敵の頭を車のドアでガンガンやりつつ)。
今世代のアクションゲームはFPS/TPSを中心にドンパチゲーに偏っているきらいがあり、拳骨で語り合うようなゲームは多くない。その意味で、本作の格闘パートはベアナックル・ファイトへの渇きを癒してくれる。闘争の最も原始的な姿とは肉体と肉体の激突であり、そこに込められた美学はいかに時代が変わろうと色褪せることはない。
――拳と蹴りが交錯し、肉体がぶつかり合い、骨が軋みをあげる。幾度となく地に伏しても闘うことにのみ悦びを見出す魂は、いつしかその中にしか生きる意味を見出せない無明の闇へと堕ちる。だが、堕ちてなお闘うことをやめない男なら、昏い闇の底に自分だけの灯火を見い出だすことができるかもしれない。
ひとつ確かなことがあるとすれば、喧嘩ではガタイの良さがものをいうということだ(←デブの前蹴りでアスファルトに転がりつつ)。
■ガンファイト編――カバーは弱者のためにある
暗黒街モノといえばやっぱり銃器は欠かせないと思うのですよ。陽のあたる世界の法やモラルが通用しない、不条理で無慈悲な“暴力”の象徴であり、同時にそんな世界に反逆する者の手にも、自身を――あるいは他の何かを守る力を与える。
そのくらい銃というものは大きな存在感を持つガジェットであり、コストの範囲内ならどれほど愛情と執念と情念を注いでもやりすぎということはない。
そこへいくと本作の銃描写はいささか残念な水準にとどまっている。モデリングがやや適当で、それをごまかすせいか妙にピカピカしており、オモチャっぽく見えるのだ。これはギャルゲーでいうとヒロインの造形が可愛くないに等しい(比較するとMax Payne3はドリームクラブばりに良く出来ていた)。
この他にも強制エイム補正うぜぇとか、銃が使えるようになるのが遅ぇとか、そもそも銃撃戦パートが少ねぇとか不満点は色々あるのだが、本作独自のスローモーション能力が面白カッコいいので許せてしまう。
ユニークなのはその発動方法で、ゲージ等を消費するのではなく「遮蔽物を乗り越えつつLT(エイム)で発動」となっている。乗り越え動作が終わってもしばらくはスローが持続するが、この「カバーから出て敵の射線に身を晒す」というリスクと引き換えになっているのが面白い。
このアイデアは、練り方次第でもっと面白くできそうな気がする。さじ加減次第ではおかしなことになる危険もあるだろうが。
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