06.04/25 ザコキャラ論
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 妙な言い方になるが、管理人は「ザコキャラは強そうに見えねばならない」と考えている。

 暴力が支配する核戦争後の荒野で、酸性雨の降る未来都市で、タンブルウィードの転がる乾いた宿場町で、ヤク中がたむろする薄汚いスラムで、アクションの舞台にはそれにふさわしいザコが必要になる。
 肩パッド付き革ジャンを着込んだモヒカン軍団や、非合法パーツで肉体を強化したサイボーグ悪党、己が武を笠に着て狼藉を働く無法者や、人間とカボチャの区別もつかないジャンキーなどなど、ブッ殺し甲斐のある存在であることが望ましい。やられ役が強そうであれば、それをやっつける側も輝きが増す。

 言い換えれば、案山子を相手にマジバトルするようなヒーローがカッコイイと思えるのか、ということだ。ヒーローの強さ・カッコよさを引き立てるなら、見るからに凶悪で凶暴で、もし自分がバスで乗り合わせたら即刻窓から下車したくなるような連中こそ相応しいのではないか。そういう意味で「北斗の拳」のジード軍団をはじめとする悪党連中はとてもいい味を出していたと思う。
 しかしながら、続編?の「蒼天の拳」では、ザコと三枚目を兼任したヤツばかり目につくような気がする。これはこれで面白いが、アクションのカタルシスという点ではいまいち食いでがない。ハゲを鋼鉄のヅラで隠すようなオモシロ悪党を退治しても、どこか一緒になって遊んでるような雰囲気が感じられるのは管理人だけだろうか。

 ちょっと話がそれたが、要するに「純然たるやられ役」という基本をきっちり押さえていてこそアクションが輝き、また「弱そうなのに実は強い」という変化球も活きてくるのではないだろうか、と管理人は考えるわけだ。

 …で、この論法をラブコメに適用するとどうなるか。
 「ヒロインでない端役こそ魅力的に描くべき」となる。そうあってこそ「第一印象は全然良くないが、実はとても可愛い」という変化球ヒロインの魅力を引き出せるというわけだ。
 こんなふうに。↓






え、僕に? ありがとう。
ちょっと意外だな。君がチョコ作ったなんてさ。


「分かってるだろーけど、義理だぞ!
 ヘ、ヘンな勘違いすんなよ!?

はは、分かってるって。

「あ…余りモンだからよ、
 見た目はあんまし良くねーけど…。

なんだよ、謙遜なんてらしくないな。
…じゃ、さっそくいただきま〜す。


「え! ちょ!まっ待てっ!
 ココで開けんなっ バカ!!
 …い、家に帰ってから開けろよっ!



 ご覧のとおり、これはラブコメにおける「お約束」である。
 今では定番ネタとして認知されているベタ展開も、要はポイントを押さえた「基本」なのだと 管理人は考えている。ラブコメにおいても基本はやはり重視されているのではないだろうか。
 古くからあった「ツンデレ」が近ごろ人気を得ているのも、その辺に理由があるような気がする。



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