07.06/16 パラサイト・イヴ2
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 「パラサイト・イヴ」の続編が発表されましたね。携帯電話で。
 これに関しては5月の雑文「パラサイト・イヴ」の新作が発表されたが…で書いたのでここでは触れないが、どうせだからパライサイト・イヴ(以下PE)について思いの丈を書いてみることにする。

 「パラサイト・イヴ」とは同名小説をベースにしたスクウェアのRPGで、変則的なアクティブタイムバトルと自由度の高い武器カスタマイズを売りにした野心的なソフトだった。当時、FFの大ヒットで調子に…もといノリにノっていたスクウェアがその技術を惜しみなく注ぎ込んだCGムービーのクオリティもあいまって大ヒットとなる。
 その翌年には2がリリースされたのだが、どういうわけか前作の魅力をことごとく捨て去り、単なるバイオハザードもどきに堕してしまった。

 …のだが。
 管理人はこの「2」がとても大好きだったりする。
 バイオハザードと似てはいるが、それよりもかなり戦闘的な作りがとても管理人好みだったのだ。無駄な戦闘は極力避けるのが常道のバイオに対し、こちらは積極的に敵を倒して自分を強化することが推奨される。
 それを可能にするため、エリア内に1カ所は弾丸(一番弱い9mmパラベラム弾だが)の無限補給ポイントが用意されており、トリガーハッピー野郎も安心の爽快設計。さらに主人公の持つ超能力「パラサイト・エナジー」も派手で攻撃的なものがそろい、爽快感を後押ししている。

 銃器カスタマイズの自由度は前作より下がっているものの、アサルトライフルに銃剣やグレネードランチャーを付けたりと現実的な範囲内にとどまっているのはむしろ個人的に好印象だった(ていうか前作は物理法則無視のトンデモ銃になることも珍しくなかった)。個人的には同年に発売されたバイオハザード3よりもPE2の方が面白かったくらいだ。


 そんなわけで、新作が出るというニュースに心を浮き立たせた管理人が、携帯電話でのリリースという事実にどれだけ落胆したか分かってもらえると思う。…いや、愚痴はやめよう。前向きにね、前向きに! (無表情で)

 しかし、2の発売から8年。ずいぶんと時間がたったものだ。
 あの「魔界村」の新作が15年ぶりに発表されたとき、公式サイトで「アーサー空白の15年」というショートムービーが上映されていたが、それにちなんで「アヤ・ブレア空白の8年」をやったらどういうものになるだろうか。
 まず、アーサーの場合をざっとおさらいしてみよう。





 古びた木造アパートの一室(なぜか現代日本)で、寝っ転がってケツかきながらテレビを見たり、おネエちゃんのいる店で鼻の下を伸ばしていたり…。戦いの日々の象徴であった鎧を身にまとうこともなく、かといって労働もしていない。これまでの戦いで得た宝物を質入れして、生活費その他の資金にあてている。

 そこにいるのは、人の身でありながら魔界に挑み、大魔王に立ち向かった誇り高き騎士ではない。惰眠をむさぼり、刹那的な享楽に身を任せるタコ野郎である。「もう俺たちの知っているアーサーはいないんだ」と思わずにはいられない堕落っぷりが涙を誘う。

 さて、我らがアヤ・ブレアの場合はどうだろうか。管理人自身、雑記で書いたとおり「ジャージにサンダル、くわえ煙草でパチンコしてるアヤ」なんてものを想像したわけだが、冷静に考えるとこれはちょっと疑問だ。気楽なひとり身のアーサーと違い、アヤにはイヴという妹分がいるではないか。




イヴ。アヤと瓜二つの美少女。


 この年端もいかぬ哀れな少女を放り出して、アヤが己ひとり享楽に耽るようなことがあるだろうか? いや、ない。断じて無い。
 きっと2人連れだって、この世知辛い浮き世をがんばって生きていくに違いないのだ。そこを踏まえてアヤとイヴの8年を冷静かつ厳密な視点でシミュレーションすると次のようになる。



sean1/ この町で、天使はバスを降りた
 戦いから離れ、海沿いの田舎町(なぜか日本)に新たな暮らしの場を求める2人。金髪のアメリカ人姉妹(暫定)には無遠慮な好奇の眼差しが注がれるが、アヤなら大丈夫。人間とは異なる超常の力に悩みつつも、自分と向き合ってきた彼女なら異郷の地でもやっていけるにちがいない。何より、守るべきものがある人間は強くなれるのだ。



sean2/ ティファニーで朝飯を
 潮風の香る木造アパート(風呂なし)の一室を借りて、ふたりの共同生活スタート。アメリカ人だけに狭い日本家屋、畳や布団に今一つしっくりこないアヤだが、心機一転にちょうどいいかも、とポジティブシンキング。一方イヴは何の苦もなく順応しそうだ。子どもだしね。
 お隣さん(一人暮らしの浪人生)にあいさつした時に、相手がどういう反応するか楽しみでしょうがない。



sean3/ pia♥キャロットへようこそ
 MYSTのハンター時代に稼いだ貯えはあれど、この町で生きる以上は働いて生活の糧を得ねばならぬ。というわけでラーメン屋で働いたり、スーパーでパートをしたり、いろいろ汗を流して生活費を稼いでいるに違いない。
 どこの店でも、田舎町に似つかわしくない金髪美女の店員を目当てに、暇を持て余した学生や下心アリアリなおっさんが押し掛けて大繁盛するのだ。多分。





 こうして見るとアレだね。どこぞのパンツ騎士と違って…アヤさんは戦っているね。銃を握って死線をくぐることはなくとも、社会の中でしっかり足を踏みしめて戦っている。


 いいか淳一…本当に…戦うというのは――
 日々を生きてゆくことだ――
 退屈と戦うことだ。
 働き学ぶことだ。
 父さんのように 母さんのように…

藤田和日郎 「瞬撃の虚空 ATTACK OF A MOMENT」 より抜粋
(短編集『暁の歌』収録)




 やはりアレだよ。女の子には幸せになってほしいのだよ。
 血で血を洗う戦いから離れて平和な暮らしを送っていた人間が、再び銃を手に戦いの中へと舞い戻る…というシチュエーションは大変燃えるのだが、そういうのは色褪せた感じの中年男性に任せておけばよい。綺麗な女の子にはコンバットスーツよりエプロンの方が似合うと声を大にして言わせていただこう。
 あー、でもな。もしPE新作が据え置きで出ると仮定して、のんびりまったりRPGとバイオレンスFPSのどっちがいいかと問われれば後者を選ぶな。
 その際のコスチュームは是非ミニスカで。FPSだけど。シャワーシーンも忘れず入れてね。FPSだけど。


追記:
 …なに、カイルはどうしたかって?
 ああ、そういえばいたっけね。そういう人も。メガネかけた化学者だっけ?


■参考
用語集は行→【パンチラ】


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