以前 「FPSのススメ 
」でも書いたが、本来FPSは萌えとは相性が悪い。敵と顔を突き合わせているわけではないので、キャラを単に萌えキャラにしても意味が薄い。
しかし、味方のキャラが萌えキャラならどうだろう。そばにいて共に戦うパートナーが萌えキャラなら日本のゲーマーから絶賛間違いなしである。何より一人称視点ならではの「距離の近さ」が大きなアドバンテージになる。
至近距離からまじまじと顔を覗き込んでポリゴン欠けを発見したりできるし、パートナーがメディックなら、治療される行為も一人称視点ならではの描写が可能だろう。具体的にいうと膝まくら。これはポリゴンギャルゲーでも実装しているゲームはほとんどないはずなので狙い目だ。
自分が治療する場合なら、好感度が上がればよりディープな医療行為ができるようになると面白い（例：傷口に手を突っ込んで破れた動脈を縛る）。
三人称視点なら画面の向うでキャラ同士がじゃれ合っているのを見るだけだが、一人称視点なら臨場感がケタ違いだ。数あるギャルゲーの多くがなぜ一人称視点なのか考えてみるとよい。
いいんじゃない？ こんな感じの美少女とミッションをこなしてLOVEを育むFPSがあっても。
システム面で折り合いがつけば、世界観も日本人好みに自由に作ればよい。
剣と魔法を駆使して魔物と戦うファンタジーものでもいいし、最近はやりのゾンビ退治ものでもいい。終戦直後の闇市を舞台にヤクザが縄張り争いを繰り広げる極道ものも悪くないし、スクール・ギャングが麻薬の利権を巡って校内で銃撃戦をするクライムアクションも捨てがたい。
血の流れる暴力の舞台は地球上、歴史上にいくらでもあるのだから、そのへんは選り取り見取りで日本人の好みにあいそうなものをチョイスすればよい。
無難なところとしては、現代の東京を舞台にしたアクションものだろうか。まず日本のユーザーに受け入れてもらうことを考えれば、馴染み深い舞台の方がいいだろう。コーデッドアームズ・アサルトが果たせなかった「現代日本FPS」という夢を実現する意味でも意義はある。
萌えで釣れる層ってロボゲー層よりニッチなんじゃねーの？ と言われそうだが心配はいらない。美少女キャラやエロ要素が萌えカルチャーの最大派閥であることは確かだが、厳格なお父さんが時おり見せる茶目っ気や、強面の上司がのぞかせた猫好きな一面などなど、オッサンキャラでも立派に「萌え」は成立する。つまり、男臭い兵隊どもがわんさか出てくるハードなミリタリーFPSでも全然オッケーだということだ。
というわけで、国内大手メーカーは現役自衛官をアドバイザーに迎えて、小林源文「レイド・オン・トーキョー」をFPS化していただきたい。
