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16.10/30 その247
Battlefield1――“従”としてのシングル




世界を巻き込む戦争であろうと、
戦場で戦っているのは一人一人の人間だ。
戦に疲れた老兵から、無邪気な新兵まで。英雄から罪びとまで。




ある者は天空を翔け、ある者は砂漠を彷徨い、ある者はぬかるみを這う。
それが――俺たちの物語だ。




 Battlefield1のキャンペーン、非常に好評のようですな。
 これまでのような一つの大きな物語ではなく短編集のような作りではあるが、それぞれの小さな物語が予想外によくできており、「DICEどうしたの? 悪いもんでも食ったの?」と心配するファンも出る有様。肝心のマルチプレイも好評で、BF4の出だしの滑りっぷりやBFHの不人気ぶりが嘘のような賑わいだ。


無念 Name としあき 16/10/24(月)11:38:20 No.441468402
未だに買うか迷い中
BFって後から完成していくんだっけ

無念 Name としあき 16/10/24(月)11:46:39 No.441469287
他にやってるゲームがあるならそれが終わってから買えばいいし
無いなら今すぐ買えばいい
後は金銭的な問題しか無いだろう

無念 Name としあき 16/10/24(月)11:58:31 No.441470597
でも今買うと冬コミの本が落ちるかもしれない…

無念 Name としあき 16/10/24(月)12:02:47 No.441471034
>でも今買うと冬コミの本が落ちるかもしれない…
冬コミはBF1の本を出そう

無念 Name としあき 16/10/24(月)12:03:19 No.441471098
>冬コミはBF1の本を出そう
それだ!

無念 Name としあき 16/10/24(月)12:13:54 No.441472346
白紙の原稿を発見!

無念 Name としあき 16/10/24(月)12:14:23 No.441472415
>白紙の原稿を発見!
ダメだ!

無念 Name としあき 16/10/24(月)12:48:18 No.441477265
ベスちゃんの薄い本が出ると聞いて来ました



ブラック・ベス



本エピソードのヒロインで、菱形戦車。
銃弾の雨から仲間を守り塹壕を乗り越え敵兵士を蹂躙する戦場の女王。
その頼もしさから名前で呼ばれ話しかけるように操縦するなど大切に扱われている。
ぬかるみに嵌まって鹵獲されそうになったり傷を負えば失禁したり、歩けなくなって男に助けを求めるなどか弱い側面をみせてくれる。
エドワーズがレンチ一本で治す能力を持っているのか、ベスがレンチ一本で治せる構造なのかは最大の謎である。
可愛い。

――Battlefield1攻略wikiより



 キャンペーン「血と泥濘の先に」で、主人公エドワーズ以下クルーたちが命を預ける戦車、ベスちゃんことブラック・ベス。頼もしいのは間違いないが、可愛いかどうかは意見が分かれるだろう。ていうかベスは6ポンド砲を装備してるから雄型だと思うんですけど。Wikipedia/マークT戦車/武装

 キャンペーンはどの章からでも始められるが、BF1全体の雰囲気を掴むためにもこの「血と泥濘の先に」から始めるのがお薦めだろう。大戦の時系列的には後の方になるけど。

 とりあえず全ての章を難易度ノーマルでクリアしたので、簡単に感想を述べていく。


・鋼鉄の嵐 (プロローグ)
 前回更新で触れた「死亡すると名前・生没年が表示され別の人物に切り替わる」というステージがこれだった。ゲームを起動していきなりコレが始まった時は驚いたが――真面目な話、とても出来がよい。
 凄惨極まる戦場描写でテンションをどん底に落としてからの「これが俺たちの物語だ」へ続く流れは、なんというか心の奥から奮い立つものがある。管理人がプレイしたFPSの中でも、導入部としては屈指の出来だ。

備考:カットシーンで登場する黒人兵が最初のプレイヤーキャラかと思ったら違った。


・血と泥濘の先に(全4ステージ)
 英国軍のマークV戦車「ブラック・ベス」の新入りドライバー、エドワーズと愉快なクルーたち(+鳩)のキャンペーン。戦車戦あり、ステルスあり、ステルスあり、ステルスありとバランスおかしくねーかこの野郎! って感じの作りに文句を言いたくなるが、戦車に愛着が湧くという点では大きな価値あるキャンペーンといえる。
 BFシリーズでは常に言われることだが、マルチプレイにおいて戦車の乗り捨ては重罪である。敵に奪われるとこちらの突破力が大きく減退し、そのまま敗北につながることも珍しくないからだ。「一度乗ったら地獄まで」が戦車兵のセオリーだが、このキャンペーンをプレイすればその精神が自然と培われる…かもしれない。

備考:道中でリペアツール(スパナ)をグレネード等と持ち替えることができるが、多分これは罠。


・高き場所の友(全4ステージ)
 ギャンブラーにしてパイロットという曲者、クライド・ブラックバーンの戦場漫遊記。飛行機ミッション中心のキャンペーンだが、操作方法はマルチと違い、エースコンバットでいうところのノービス固定。こちらの方が初心者でも狙いをつけやすいが、せめて選択させてほしかった。
 とはいえ、カジュアルなフライトシューティングと割り切ればそんなに悪くない。機銃をバリバリ撃ちまくるドッグファイトはトリガーハッピー的には楽しいし、巨大飛行船とのバトルなどの見せ場も用意されている。また砲撃痕で月面のようになった戦場を上空から俯瞰することで、地上とは違った視点で戦争の凄まじさを感じることができるのも本キャンペーンの醍醐味だろう。
 お調子者が主人公なだけあって、お話のトーンは例外的に明るめ。最後から2番目くらいにプレイするのがいいと思う。

備考:ラックハムさんが不憫すぎて笑う。


・サヴォイアに栄光あれ!(全2ステージ)
 イタリア王国軍精鋭部隊「アルディーティ」の一員ルカ・ヴィンチェンツォ・コッキオラとなってアルプス戦線を戦う。初っ端から鎧を着こんで水冷式機関銃をブッ放すという重装歩兵プレイで幕を開け、対空砲で敵飛行隊とタイマン張ったりと雄度の高いキャンペーン。
 全編通して激しい戦闘の連続であり、最初から最後まで人差し指がトリガーから離れない。フフ…これこそミリタリーFPSのあるべき姿よ! とテンションが上がるが、ボリュームは全2ステージとキャンペーン中最も少ない。それって納得いくかァ〜〜〜おい? 俺はぜーんぜん納得いかねぇ…(イタリア繋がり)。
 ゲームデザインとしてはトリガーハッピー向けだが、風光明媚なアルプスが地獄のような戦場になっている様は実に凄惨であり、全体の雰囲気はキャンペーンの中でも屈指の暗さである。

備考:本作の日本語吹き替えはレベルが高いが、このキャンペーンは英語音声の方が重苦しい雰囲気が出て良いと思う。


・ランナー(全3ステージ)
 「オーストラリア軍」という、大抵の人は聞き返すであろうマイナー陣営に焦点が当たるキャンペーン(正しくはオーストラリア・ニュージーランド軍団)。繰り返すがオーストリアではない。
 ガリポリ上陸作戦を舞台とするキャンペーンで、オーストラリア出身の伝令兵フレデリック・ビショップが主人公となる。若手主人公が多い中唯一の老兵だが、カッコ良さは随一。こちらも比較的正統派のFPSだが、ステージの少なさがネック。上陸のくだりはもっとボリューム欲しかったし、狙撃ミッションとかもあれば良かったのに。


・記されぬ言葉(全3ステージ)
 ベドウィン族の女戦士・ザラを主人公に、アラビアのロレンス率いるゲリラとオスマン帝国の戦いを描く。強大な帝国相手のゲリラ戦とあってこちらもステルス中心。…ま、仕方ないね。初期のトレーラーでもあったように騎馬の集団で突撃するような派手な見せ場があると思っただけに、そこは残念だった。
 唯一の救いはザラが美人なことか。もし「ミスBF1コンテスト」をやったら上位に入るのは間違いない。エントリーしそうなのザラとベスくらいしかいないけど。

備考:オスマン帝国のハゲ士官(悪役)がいい味出してる。



まとめ――これからのFPSにおけるシングルキャンペーン
 本作のキャンペーンは「BF史上最高」といわれており、管理人もそこは同意するが、率直に言ってアクションゲームとしてレベルが高いとは言い難い。FPSらしい撃ち合いが楽しめるゲームデザインではないし、ステルス推奨ステージがやたらと多い。何よりボリュームの少なさは致命的だ。
 全体を通してのプレイ時間はおおむね8時間程度と言われているが、短い物語をちょいちょいつまむ感じなので、実際よりも短く感じる。これはオムニバス化の弊害だろう。難易度も横並びなので、順次難しいステージに挑戦するというやりがいも薄い。

 ただ、この薄味っぽさについては意図的にそうしたと思われる。BF1のキャンペーンは従来作とははっきり性格が違い、「マルチの合間にちょっとつまむ軽いもの」として作られている。料理でいえば前菜の盛り合わせみたいな感じだ。
 食いごたえあるアクションゲームを求めていた身としてはいろいろ残念だが、マルチが主、シングルを従とするならはこれが最適解という考えなのだろう。ある意味ではようやくCODの影を追うのをやめ、BFならではのシングルを作り上げたといえるかもしれない。

 今はシングルとマルチを高いレベルで両立させるのは難しくなっており、『Overwatch』のような大作でさえマルチオンリーに割り切るケースも珍しくない。だが、ゲームの世界観に没入する意味ではシングルキャンペーンに勝るものはなく、それはゲームそのものへの愛着を高めることにつながる。『Overwatch』はシングルがない代わりにキャラクターの背景を紹介する短編アニメやコミック類を充実させているが、つまりはそこで「世界観への没入」を促しているのだ。
 アクションゲーム好きとしては、ボリューム的には“従”となってもやはりシングルキャンペーンは欲しい。尺が短くとも印象深い物語を作れることはBF1が証明したし、マルチプレイのチュートリアルとしてはまだ伸びしろがある。これからのFPSシーンにおいて単なる「シングル不要論」に落ち着くのではなく、まだまだ試行錯誤してほしいと管理人は思う。



追記:
 「シングルキャンペーンだけで買う価値があるか?」というと難しいところだ。個人的にはこのボリュームで6〜7000円は高いと感じる。また本作には「コーデックス」というWW1のうんちくが見れる収集要素があるが、これの中には「コンクエストで勝利する」というようなマルチプレイでのみ解除できるものも多数ある。その点でもシングルだけが目的という人にはお勧めしがたい。

 だが、そういう人こそ本作でBFのマルチプレイに手を出してほしいとも思う。管理人も初BFである『Battlefield:Badcompany』はシングル目当てで買ったのだ。シングルの出来は想像以上にお粗末だったが(ただしキャラとストーリーは最高だった)、一応試しにマルチもやってみたところ「案外悪くないな」とどんどんのめり込んでいき、以来今日までシリーズを追い続けている。

 BFシリーズは伝統的に撃ち合いが苦手な人にも回復・補給といった活躍の場があるし、本作では劣勢なチームの援軍として「ベヒモス(巨大兵器)」が登場するなど、初心者にも多少は優しいと思う。
 今すぐ買えとはいわないが、セールの時にでも思い出してほしい。もう買ったという人は、キャンペーンを一周したらマルチに参戦するのをお薦めする。




 2016年現在でも「マルチ」で画像検索するとこのキャラがTOPに出るのは、なんつーかスゲェな。もう20年くらい前のキャラなんだが。
 それはさておき、具体的には新モード「オペレーション」がお薦めです。ルール的にはシンプルだし、迫力もずば抜けている。あまり派手な表現は使いたくないが、迫力だけでいえばこのモードこそ『真のバトルフィールド』と言えるのではないだろうか。






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