「艦これ」こと艦隊これくしょんというブラウザゲームが人気のようだ。 |
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オマエさっきから画像おかしいだろって? うん、ごめんなさい真面目にやります。あ、でもこの金髪のおネーちゃんはマジでBattleStationsのキャラなんだよ。 |
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「深雪」「初雪」「白雪」「吹雪」となると徳川大奥三千の美女を思わせ、朧(おぼろ)、暁(あかつき)、電(いなづま)、雷(いかずち)、響(ひびき)とまことにアカ抜けして心憎い。 |
いやもうホントにね。朧、暁、電、雷、響と並べると字体のいかつさもあいまって精悍な若武者を連想させる。一方でみゆき・はつゆき・しらゆき・ふぶきと並べると語感の美しさも手伝い、たおやかな美女が脳裏に浮かびそうになる。実にイマジネーションを掻き立てる、気の利いた命名ではないだろうか。 |
この乙女の寝姿のように美しい姿が、一度大洋の荒波の中を行くとき、それはまるで廣野を飛ぶ狼であった。鋭く軽快な艦首は海を引き裂き、波浪は白雪となって散った。その爽快、まことの海の男の本懐であった。 |
駆逐艦をメインとした「水雷戦隊」は、敵艦に夜襲をかけて魚雷をぶち込む戦法を得意としたという。美しいだけでなく剽悍で獰猛な「海の狼」としての貌こそ駆逐艦本来の姿といえるだろう。戦艦のような華々しさとは縁がないが、渋みのある魅力が感じられるではないか。 |
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少尉候補生の実習を終わって少尉に任官したばかりの仕官が来艦すると、 |
本書は主人公たる著者が駆逐艦“菊”に任官するところから始まるのだが、彼自身も海軍学校を優秀な成績で卒業した「お堅い奴」であり、先輩たちの無作法ぶりに最初は呆れ果てる。しかしいつの間にか順応し、軽口を叩きながらも荒波逆巻く大海と戦火の巷を潜り抜ける「駆逐艦野郎」へと成長するわけだ。 |
軽く小さな駆逐艦は大型艦と比べていともたやすく波に翻弄され、綿密なチームワークなくしてはたちまち危機に陥る。そのような状況では階級だの軍規だのという堅苦しい決まりごとより、純粋に「海の男」であることが求められたのだろう。 |
そう考えれば、(軍隊につきものの)官僚主義的な価値観を鼻で笑うような気風が定着したとしても不思議はない。その反骨心とプライド、そして底抜けの陽気さが「駆逐艦野郎」の本質ではないかと思わされる。 |
読み物として面白い反面、個々の駆逐艦についての薀蓄はあまりないが、入り口としてはわりとお勧めではないだろうか。BattleStations:Pacificでは艦上をウロウロしているだけの乗組員だが、彼らにも様々なドラマがあるであろうことが感じ取れるようになるだろう。 |
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