夢幻戦士ヴァリスやアタックアニマル学園の時代から男女の機会均等を推し進めてきた日本人からすれば、海外ゲーマーの脳筋っぷりには戦慄さえ覚える。
日本のは機会均等じゃなくて下心だろって? ああ、そうだよ。だから何?
開き直りはともかくとして、海外のタフガイ至上主義にも変化が現れつつあるらしい――というのが今回のテーマだ。上記のCODとBFのように、典型的なタフガイ・パラダイスだったFPSにも女性の進出が目立つようになった。
一応CODの女性兵士はこれが初めてではなく、まだ第2次大戦を扱っていた頃はソ連の女スナイパーやフランスの女レジスタンスなどが劇中に登場していた。しかしCOD4からすれば実に久しぶりであり、かつ対戦で使用可能というのは初めてではないだろうか。
一方BFについては(管理人はBFBCからしか知らないのだが)BF3のキャンペーンで主人公の一人に女性パイロットがいたものの、出番は1ミッションのみで容姿も確認できなかった。BF4のハンナはキャンペーンのみの登場だろうと推測されているが、COD以上に女っ気の乏しかったBFにしては大躍進である。
この2作にとどまらず、次世代FPS期待の星である『TitanFall』でも「プレイアブルな女性キャラクターが登場する」という噂があるし、銀行強盗FPS『Payday2』でもDLCで女性キャラクターの登場が前向きに検討されているという。
FPSではないが、今世代でトップクラスに男臭いゲームだったGears of Warも3でCOGのアイドルことアーニャさんをはじめサムなど女性兵士が登場してユーザーを驚かせた。洋ゲーにおけるドンパチの世界が「ドキッ♡ 男だらけのチームデスマッチ! 芋砂もいるよ!」という時代も終わろうとしているのかもしれない。
正直、いくばくかの寂しさを感じないでもない。
管理人だって日本の漫画やアニメの「戦闘美少女」文化の中で育ってきたし、クールで美人なお姉さんが大暴れするのを見るのは大好きだ。しかし「敵を制圧する」という戦闘派アクションを突き詰めると、その魅力をフルに発揮できるのは筋骨逞しい男がベストだと思う。
マッチョなタフガイが巨大な戦斧や大口径機関銃を構えるのは様になるし、猛々しく雄叫びを上げるのも、絶叫して爆裂四散するのも絵になる。しかし華奢な女の子に馬鹿でかい得物を持たせるのは不恰好だし、せいぜいギャップ萌えを狙う程度の効果しかない。綺麗な女性がこめかみに血管を浮き立たせて雄たけびをあげる画が美しいとは思わないし、いたいけな少女が爆裂四散しても痛ましいだけである。
率直に言って、洋ゲーならではのタフでハードな雰囲気に女性キャラはそぐわないのではないかと思うのだ。
いや、一応分かってはいるのだ。管理人の「女性キャラクター観」は、あくまで男性視点からみた「可愛いだけ・美しいだけの萌えキャラ」だということを。
といっても大多数のゲームキャラは程度の差はあれ男性受けを狙っているわけだし(ゲーマーは大多数が男だ)、日本のゲーム文化そのものに根ざした傾向と言うこともできる。
一方、最近数を増やしつつある洋ゲーの女性キャラはどうか。
日本のそれと違うのは、女性プレイヤーの側から求められて登場しているらしいという点だ。COD:Gのエグゼクティブプロデューサーは女性兵士の登場について「女性を引きつけるためではない」と言いつつも、ファンから女性兵士を要望する声が多く、また「女性キャラクターでプレーすることを望む女性プレーヤーも数多く存在する」と語っている。
GOW3でも女性ファンの要望に応えてアーニャさんを始めとする女性兵士を登場させたそうだし、ほぼ完全に男性視点で女性キャラクターが起用される日本とはこのあたりが大きな違いと言えそうだ。
前向きに考えるならFPSの裾野がそれだけ広がっているということで、選択肢の幅が増えるのは悪いことではない。最近じゃ米軍でも女性兵士は珍しくないそうだし、CODやBFにタフそうな女性兵士がいても雰囲気が壊れるということはなさそうだ。ミニスカ女性兵士が出る確率はほぼゼロだが、そういうのは二次創作のネタで補完できるので大した問題ではない。何より、キャラデザがどうのコスチュームがどうのといった表面的なビジュアルは萌えの本質ではないのだ。気の持ち方次第でL4DのウィッチもF.E.A.R.3のアルマも極上の萌えキャラになるし、悪党か兵隊しかいないようなドンパチゲーも萌えゲーになりうる。
最近のヌルい離乳食みたいな萌えゲーに飽きたという人は今一度洋ゲーに目を向けてはどうだろうか。きっと新たな出会いがあるはずだ。
とりあえず言いだしっぺとして管理人が大好きな洋ゲー女性キャラについて語るので拝聴するように。
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