このイメージキャラクター「るみ」のあざとい動きも男性が演じているのだと思うと妙な気分になるが…逆にそこが面白さといえる。つまり
いかついアニキでも腹の出たオッサンでも美少女キャラになりきることができるわけで、それってすごく楽しそうじゃないですか？
「KiLA」は必ずしも美少女キャラありきのシステムではないが、管理人は「美少女なりきりツール」という可能性にときめきを覚えた。自分でもちょっとびっくりですよ。管理人はネトゲでネカマをやったこともなければ女性キャラをアバターにしたこともないが、上記ツイートのKiLA実演動画は自分でもやってみたいと思ったからね。細かな仕草などで自分なりの「カワイイ」を追求したくなるよ。「首をかしげる動きはもっとこう…」とか、「ここでくるっと一回転…」とか凝り出すと止まらないと思う。
管理人でさえそうなのだから、「可愛い女の子を演じてみたい」と思う男性は実はかなりいると思う。ウケ狙いという人も含めてね。
このKiLAはライブイベントや生放送での活用などクリエイター向けの用途を紹介しているが、率直に言ってそういう一部の作り手のみにこの面白さを独占させるのはもったいない気がする。自分の動作が画面内の美少女キャラに反映されるというのはやっていて面白いだろうし、それを演じている姿もある意味では面白い。ついでに言えば、自分でやる気はなくても他人がやってるのを見てみたいという人は大勢いるだろう。
これ、
ゲーセンのダンスゲームとかに活用できないもんですかね。絶対目を引くと思うんだけど。
今時ポリゴン美少女が踊るビジュアルなど珍しくもなんともないが、自分自身のダンスが反映されるとなると話は別だ。「動かす面白さ」に加えて「美少女になりきる楽しみ」もあるし、ギャラリーは「野次馬視点の楽しみ」を満喫できる。そしてこの３つはそれぞれ相乗効果を生む。動かす楽しさに夢中になるうち、プレイヤーが演じる『るみ』は命を吹き込まれた存在となってギャラリーを沸かせ、ギャラリーの声援はますます演じるプレイヤーの没入感を高める。極まれば「演じているのではない、俺こそが『るみ』なのだ！」という具合に
壊れる覚醒するかもしれない。
中にはダンスそっちのけで卑猥なポーズをして喜ぶ痴れ者もいるだろうが、そこは体に装着するデバイスに一工夫し、あまりにお手本とかけ離れた動きをした時は電流でも流せばよい。
ギャラリーも美少女キャラが踊る様子を見て「お、何これすごい」「パンツ見えそう」とか注目し、それを踊ってるのが猪八戒みたいなオッサンであることに驚愕したりするわけでね。なにこれキモイ！ でもモニタの中の女の子（の動き）はカワイイ！ で、盛り上がるギャラリーの中から
「どれ、うぬらに本物の女子力というものを見せてやろう」と女性ゲーマーが名乗りを上げてダンスバトルですよ。
踊るゲーマーの姿は猪八戒と女の子で歴然たる差があるが、モニタ上のビジュアルでは互角！ 女の子の方はダンスにキレがあるが、猪八戒の方は「萌え」のツボを掴んだ仕草をおりまぜて対抗する！ 互いにあと一歩の決め手がないまま最終局面！
ようし、エロだ！ ちょっぴりえっちなポーズでギャラリー受けを狙ってやる！ よせ！デバイスの電流ペナルティが作動するぞ！ 構うものか、そのギリギリのラインに俺は全てを賭ける！ そして炸裂するデブのセクシーポーズ。案の定流れる高圧電流。黒焦げになってもなおアイツは笑っていた――モニタの中の『るみ』と同じように。
って感じのゲームって面白いんじゃないでしょうか。名付けてKiLA電流爆破デスマッチ。
傍から見てるだけでも絶対楽しいよ。モニタだけ注視して美少女ダンスを鑑賞してもいいし、時々プレイヤーに目をやってそのギャップを楽しんでもいい。演じるプレイヤーも単にダンスの上手い下手だけでなく、萌えっぽい仕草で可愛さと笑いを両方取りに行ったりと多様なアピールができる。想像するだけでウキウキしてきますね。少なくとも管理人はウキウキする。
あるいはお高くなるのを承知の上で個人用としてリリースする手もある。動画配信サイトには「踊ってみた」系の動画が色々あるが、それをポリゴン美少女でやる感じ。
人前で踊るなんて恥ずかしい…。でも自分のダンスを見てほしい！ 俺様の踊る最強の美少女ダンスにひれ伏せ愚民ども！ という願望のある人は多少高くても買うと思うし、当然動画サイトで配信する。クールなダンスを追求する人もいれば、美少女キャラとしての可愛さを突き詰める人もいるだろう。中にはダンスそっちのけで卑猥な動画を作る痴れ者もいるだろうが、そこはソフトに一工夫し、あまりに公序良俗に反する動画を作成した場合はＰＣを爆破すればよい。
KiLAはあくまでも「動かす」システムであるから、ユーザーが自前で用意したＣＧキャラクターを動かすことも当然できるだろうが…どうせならイメージキャラクター『るみ』を大々的に売り込んでいく方が面白くなりそうな気がする。そうすれば、大枚をはたいてでも美少女になってみたいという数奇者ユーザーの情熱、研究、挑戦、倒錯性癖をまるごと『るみ』の魅力として取り込めるわけで、うまくすれば初音ミク以来のムーブメントになりうる。と、思う。思わないでもない。
KiLA公式では「生放送でアニメが作れる」「ライブパフォーマンスに使える」という部分をアピールしているが、そうしたものを作る場合はどうしても“声”を別途用意せねばならないわけで、これはなかなかハードルが高い。「声優ラジオのアニメ化」という用途にはうってつけだろうが、これにしたって限定的だ。
そこへいくとダンスゲームなら声を当てる必要はないし、個人ユースで動画配信するならボーカロイドの歌を歌わせたりと応用が利く。
人間の心には誰にも等しく番長回路と乙女回路が備わっていると誰かが言っていたが、このKiLAは自身がこれまで意識しなかった乙女回路を起動させるトリガーになりうる。自分にそんな願望はないと思い込んでいる人も、鏡に映った自分の像が美少女になっていたら、と想像してほしい。「鏡の中の美少女」に可愛いポーズをさせてみたいという欲求に抗えるだろうか？
管理人ですか？ 管理人は誰かがやるのを見ていたい派かなぁ。ほら、もともと恥ずかしがり屋だし、どっちかといえばモヒカンになりたい願望の方が強いから。でも、知り合いがやるってんなら全力で応援するね。ちょっとくらいならカンパしてもいいとさえ思っている。たとえそいつがむさくるしい猪八戒タイプだったとしても、カワイイを追求するハートがあれば究極の美少女に変身しうる可能性がKiLAにはある。
ただ公式サイトを見る限り、KiLA個人向け販売は「現状未定」とのことだし、モーションキャプチャーに使う「Perception Neuron」も20万弱くらいするらしい。もうちょっと安くならないと普及は厳しいだろうなとも思う。そのためにもまずはゲーセン用のダンスゲーム化で注目度を高めてですね…。
好き勝手言ってるけど、応援したい気持ちは本物です。少なくとも自分じゃない誰かがあと一歩踏み出そうとしているなら、背中を押してあげたい気持ちはある。
さぁ、お前の中の美少女を見せてみろ…！（主人公に邪悪な力を与える謎の存在っぽく）
